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sproutおぼえがき

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モノレールに乗って

4月10日 水曜日
薄晴 気温低め


失業保険給付の手続きにゆく。案外あっさりとすんだ。
来月から240日間、失業給付金が支給されるそうである。
そんなに休んでいるわけにもいかないんだが、やはりほっとする。

その足でモノレールに乗ってM大学に用事をすませに行く。
私はずいぶん昔、ここの通信教育学部に在籍していたことがある。(そして挫折した。)
そのときに取った単位の証明書が必要なので、もらいに行ったのだ。
当時はモノレールがまだなかったから、真夏の炎天下、京王線の駅から急坂を延々のぼってスクーリングに通った。
そしてあまりの暑さに常軌を逸し、人がバタバタと倒れる(うそだけど)坂道や、することのない昼休みのことを村上春樹ばりに記した手紙を友人に送ったのだった。
当時の自分に死ねといいたい。
その手紙を友人が今も持っていないことを心の底から願っている。

窓からの景色は、高幡不動を過ぎたあたりから急に山深くなる。
山から伸びた尾根と谷の部分がかさなりあい、海岸線や小島のようにもみえる多摩丘陵の地形を眼下に見ながらモノレールに乗っているのは楽しい。
造成され、宅地となった部分と、山の雑木林の部分がまるで塗り絵のように見える。
そのあいだに、古い農家の大きな家が点在している。

地形のかたちがぜんぶ残っているだけに、宅地化前←→宅地化後のbefore/afterがあまりにもくっきりと想像できすぎて、なんとまあ…と呆れる気持ちと、同時にこの景色を面白いと感じてしまう気持ちとが両方ある。

ふと、まだ木々に覆われている尾根にもかかわらず、海で言ったらちょっとした岬のようになっている先っぽ部分だけ、すっかりはだかにされて造成予定なのか一部コンクリートがうたれている不思議な場所を見つけた。
なぜそこに目がいったかというと、突端に近い部分に小さな鳥居があったからである。
やはり最後までこわすのがためらわれるのか、黒く土がむきだしになったその場所に鳥居の赤い色だけがちかちかと目立っていて、よく見ると社へ続く数段ほどの階段もある。

見れば見るほど不思議な光景だった。
誰がいつあの社をつくり、誰がどうしてあのへんてこな場所を開発しようとなどしているんだろう。
ほっとけないなにかが、あそこにはあるんだろうか。
世の中に「ほっとけない土地」認定団体があったら、ぜひここに派遣して見てもらいたい。

モノレールの沿線に、「まんなか」という意味のC大学と、「明るい星」という意味のM大学があるので、昼間のじかん乗っている乗客はほぼ学生だった。
しかし見事なくらい、車両の端から端まで本を読んでいる学生はひとりもいない。
by titypusprout | 2013-04-11 00:21 | Comments(0)
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