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sproutおぼえがき

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中村好文展

4月26日 金曜日
晴れ 強風、場所によっては雹が降ったらしい。夕方すごい夕焼け。


中村好文展「小屋においでよ!」    ギャラリー間
中村好文展_f0276902_0171347.jpg

友人に誘われて行ったら、とてもおもしろかった。


ギャラリーの中庭には、実際に小屋が出現していた。
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エネルギーはすべて自給。
風力、太陽光、雨水利用、雨水浸透マスまで完備してある。
火はストーブと、台所にコンロ代わりの七輪搭載。

窓の桟、キッチンの台、引き出し、作り付けのソファーベッド、全部木でぴったりと合うように作られていて、そうかー、なんでも木で作れるんだな、木ってすごいなあと子どもみたいな感想。
シンプルで、工夫があって、自給自足だからと妙に自然や手作り感にこだわらず、不便に酔っていない感じがよかった。機能的で趣味がよくて居心地のいい空間、住んでみたい家。

棚には本がたくさん並んでいて、「ボートの三人男」が、世界ユーモア文学全集版、中公文庫版、洋書版と揃っていたのがおかしかった。
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もうひとつの部屋には、中村さんがスタッフや友人と過ごすために作った小屋の写真とさまざまなアイデアが展示されていた。
中村さんはじめ、かかわった専門家たち皆、今どき「手書き派」だったそうで、打ち合わせの細かな図面や説明図など、いつまで見ていても飽きない面白さ。
見ていて今和次郎を思い出したが、そういえば小屋の本棚にも今和次郎の全集がささっていたことを思い出した。
中村好文展_f0276902_0194670.jpg
「小屋ぐらしで欲しいもの」と「小屋ぐらしで入用なもの」の判断はむずかしい。すごいわかる。


今回の展示のために小屋を完成させるまでのビデオを見ていたら、家ってこうやって出来ていくんだなあ、とまたまた子どものような感想。
普通の家ならもう出来合のパーツになっているものもひとつひとつ手で作っていくので、そうかどんな部品やパーツも最初は誰かが作ってるんだな、と当たり前のことを考えた。

そうやってから、帰りにもう一回小屋に立ち寄ると、また2倍面白い。

自分では気付かず見逃してしまっただろう展覧会に誘ってもらって、ずいぶんいい思いをした。
人からもらうものはいつも自分をちょっと広げてくれる。

下の階にあるTOTOのブックショップも充実していた。
建築というテーマの元に集められた、建築のわくからはみでた本のセレクトが面白い。
専門書店の棚の作り方はこりゃ勉強になるぞ、と思った。
テーマの制約があるからこそかえって面白く遊べそう。
by titypusprout | 2013-04-27 00:34
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