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sproutおぼえがき

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ブクブク交換

5月28日 火曜日
曇りときどき晴れ さわやか



少し前のことになるけれど、23日に行ったブクブク交換はおもしろかった。
川口メディアセブンというところの企画で、浅生ハルミンさんのtwitterで知って申し込んだ。

川口メディアセブンは、川口市が民間に委託している事業で、川口駅のすぐそばの大きなビルの7階にあり、さまざまなイベントやワークショップなどをおこなっているので前から気になっていたところ。
最近だと、北尾トロさんの山田イベントや、「趣味と実益」の平山亜佐子さん、ユトレヒトの江口さんなど、出版や文章に携わるおもしろい人々の企画がもりだくさんでとにかくすごいのである。

同じビルの5、6階には図書館があって、メディアセブンとはフロア内の階段で繋がっている。
図書館ではなかなかできない、または図書館とは明確に一線を引いたさまざまな企画やイベントなどを、メディアセブンで民間の力を使ってもっと自由にやろうという意図もあるみたいだ。

行政だと自由にできないしつまらなくなるから、民間にやってもらおうというのは、柔軟な企画に見えて、単なる行政側のものぐさだと思う…。
自由にできないって自分たちが勝手に狭めてるだけだろー、そもそもやってみようとしてみたことあるんかー、っていうふうに行政側として図書館で企画などをしていた私は思います。
…とかいってももちろんメディアセブンに非はまったくなく、民間委託それじたいが悪いわけでもなく、実際もんだい、メディアセブンはアイデアと実行力のあるスタッフのおかげですっごく面白そうなところだった。

あ、そういう話じゃなかった。

とにかく、以前から気になっていた「川口メディアセブン」と「ブクブク交換」がセットになって私の目の前にあらわれたわけです。

「ブクブク交換」イベントのやりかたは、まずテーマがあって、参加者はそのテーマに沿った(と自分が考える)本を持参し、一冊ずつみんなの前で紹介する、そのあとに、それぞれ興味をおぼえた本と自分の持参した本を交換するというもので、いわば本の合コンみたいなものらしい。

今回のテーマは、浅生ハルミンさんの決めた「歩く 見る つくる」だった。
参加者は14人で、女のひとが多く、男のひとは4人くらい。
私は、
 歩く:「新編 漂着物事典」 石井 忠 著  海鳥社
 見る:「家出のじかん」 鴨居 まさね 著  集英社
 つくる:「あらいぐまとねずみたち」 おおともやすお 著  福音館書店
を選んだ。

めいめいが5分くらい持ってきた本について順番に話したが、みんな説明がすごくじょうずで、それぞれまったく違って飽きなかった。

わたしはテーマをもとに本を選ぶというのが、以前職場でやっていた特集コーナーもそうだけれど、すごく好きだ。
それで、こういうテーマはいろんな解釈ができるようなお題がおもしろいな、と思う。
図書館でいうなら、さまざまな分類から、いろんな角度で本が集められるようなテーマ。
じっさいこの日も、無人島漂流の本を持ってきていた人もいたし、漆や伝統工芸の本、武田花の写真エッセイ、定点観測の本、小説などさまざまだった。

興味深いと思ったのは、男のひとがみな小説を持参していて、女のひとはエッセイとか旅の本とか、ノンフィクションが多かったこと。
どうしてだろう。女子は現実的なのだろうか。それともノンフィクションを物語に変換する脳がそなわっているのかもしれない。

紹介された本のなかには、へえ、こんな本が、こんな読み方が、と新しい視点を与えてくれるものもあり、実はぜんぜん興味ないもの、自分で選ぶことはこれからもないだろうなと思ったものもあったけれど、そんな選ばないだろう本も含めて、他の人がどういう理由である一冊の本を選んで、どんな言葉を使ってそれを紹介するのか聞くと、ひとそれぞれ、本に求めるものや愛着度、いってみれば本への接し方、態度のようなものがみんな違うのだな、と思え、そこがいちばんの発見だった。


今回私が手に入れた本
・「おばあちゃんのおやつ」 朝日新聞学芸部 編  朝日新聞社
・「夜歩く」 横溝 正史 著  角川文庫
・「亡霊は夜歩く」 はやみね かおる 著  講談社

「おばあちゃんのおやつ」は、ふるさとのおやつの聞き書き、表紙の絵は安野光雅。あとの2つは、同じ人が「夜歩く」というタイトルで3冊そろえてトランプのカードさながらに見事に紹介してみせたうちの2冊(もう1冊はディクスン・カーの「夜歩く」)。
私は逆に、タイトルにテーマが入っていないものを選んだけど、そういう趣向もあるのか、さすがミステリー好きの男のひとはすげー!と感嘆した。

それから、この企画の進行、かじとりはけっこう難しいぞ、とひそかに思っていた。
どんなイベントも多かれ少なかれそうだけれど、本好きはけっこうくせ者ぞろいだし、そんな本好きに本について好き勝手にしゃべらせるという、ある意味恐れ知らずな企画だ。

そして下世話な話で恐縮だが、このような豪華な講師陣をまねくための予算はどのくらいついているんだろう…。
図書館のイベントで講師を頼んで来てもらうとき、口にだすのも恥ずかしいような少ない謝礼しかだせなくて、いつもほんとうに申し訳ない気持ちでいっぱいだったけれど、ここでは来てもらう講師のひとに金額で尊敬を伝えられるくらいのちゃんとした予算がついていればいいな、と考えてしまった。
by titypusprout | 2013-05-29 00:50 | Comments(0)
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